ACIDMANにとって2018年は、大きなターニングポイントを超えて新たな一歩を踏み出した年になった。結成20周年を迎えた2017年にはビッグネームばかりを集めた主催フェス“SAI”を大成功させ、ロックシーンでリスペクトを受ける重要な存在であることを証明した。が、21年目のACIDMANはそこに留まらず、以前と変わらずストイックに音楽を極めるバンドとして孤高の道を行く。ニューアルバム『Λ』で示した極めて精神性の高い世界観、そして4~6月に行われた「ACIDMAN LIVE TOUR“Λ(ラムダ)”」は、そんなACIDMANの音楽と思想の一つの到達点になっていると大木伸夫は言う。

「『Λ』は、ある種宗教的なアルバムになったと思っているんですね。もちろんエンターテインメントだから聴きやすいように作ってはいるけど、死生観について深く歌っているし、精神性の部分が大きいアルバムなので。お客さん的に重過ぎるかな?という懸念はあったんですが、実際ツアーを回ってみると全然そうではなくて、伝わってるなと感じましたね。僕にとって音楽は一過性のエンターテインメントで終えたくないもので、あのライブに行ったから翌日の行動が少し変わって、普段は右の道を行くのに左の道を行ってみようと思ったとか、星を見上げることなんてなかったのが、1週間に1回だけでもふと見上げるようになったとか、そういうものであってほしい。ちょっとのことで人は変われるし、音楽にはほんの一瞬かもしれないけど人を救う力があると僕は信じているので。今はそれを感じれているので、すごくやりがいがありますね」

「ACIDMAN LIVE TOUR“Λ(ラムダ)”」の終着点は、7月13日金曜日、通算6度目の単独公演となる日本武道館のステージだ。2007年の初舞台からおよそ2年ごとに行われてきた武道館公演は、ある時はストリングス・セクションと共に、ある時は重厚なアニメ映像や華やかな紙吹雪の演出など、忘れがたいシーンを記憶に刻んできた。ACIDMANにとって武道館とは、どんな場所なのだろう?

「もともと武道をやる場所で、ビートルズが最初にやってくれたおかげで数々のミュージシャンが目指す場所になっていったんですよね。僕自身はどの会場でやりたいという目標を持ったことがないんですけど、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「NANO-MUGEN FES.」に呼ばれて初めてあのステージに立たせてもらった時に、“みんながここを目指す理由がわかった”と思いました。目に見えない精神性が宿っているから集中力がすごく高まって、これは音楽をやる場所じゃないなと思ったからこそ、自分たちでもやってみたくなったんですね。最初の1,2回は雰囲気に飲まれたところがあって、お客さんにじーっと見られている感じがしたんですけど、見られてると思うのか、一緒に何かをしようとしているのか。そういう考え方を3回目ぐらいから自分の中でポジティブに切り替えて、緊張しなくなりました」

2011年には東日本大震災があり、前回の2015年にはツアー中に身近な人の死という出来事があった。時代の流れや個人的な体験も含めて“毎回違った気持ちが乗る”というライブの場は、ACIDMANの生きる場所だ。今回の日本武道館も間違いなく、2018年7月13日でしかないACIDMANが見られるだろう。

「精神性を大事にする人たちが聴いてくれるのもうれしいし、エンターテインメントとして聴いてもらうのもうれしいです。僕たちがデビューした頃に聴いてくれていた人は、ACIDMANの音楽をただのシンプルなエンターテインメントとして楽しんでくれていたと思うし、その人たちとは時代を共有した仲間だと思っているので、そういう人たちもまた見に来てほしい。矛盾するかもしれないけど、武道館は音楽だけを楽しむ、個人の思い出だけを楽しむ場になってもいいと思ってます。そして余裕があったら、宇宙のことや命のことを考えてみようかなというふうに、僕の思想を受け止めてくれたら。まずは気楽に、音楽を楽しむ気持ちで武道館に来てほしいですね」

武道館でリアルタイムのライブを楽しみ、そのあとは映像でライブの様子を追体験する。

このライブの模様は、8月24日にWOWOWで全曲ノーカット放送されることが決定している。精神性とエンターテインメントを両輪に、前人未到の音楽体験を追い求めるACIDMANの姿を今こそ目撃してほしい。

■■■WOWOW番組情報■■■
ACIDMAN LIVE TOUR “Λ”
8月24日(金)よる10:00[WOWOWライブ]
収録日・収録場所 2018年7月13日/東京 日本武道館
番組サイトはこちらから

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